算数
中学受験で最重要視される教科である。本番のテストでも最も差がつきやすいので、各地に算数専門塾が
あり、低学年から先取りをする受験生が一定数存在する。
通っている塾と志望校によっても異なるが、どのレベルまで達すれば内容ある授業を受けることができ
無駄に解かざるを得ない問題が少なく出来るか、という観点で学習するとよい。また、塾の中でクラスアップ
を目指す場合は、塾から指定された問題だけをこなして得点できてもあまり意味が無い。上のクラスがこなして
いるであろう問題まで積極的に手を出し、遅くとも6年生のカリキュラムに突入する頃までには上の実力を
身につけておきたい。「塾に任せておけば安心」という思考が陥る典型的な落とし穴であろう。
そもそも、算数の実力がある人は、問題を見て一瞬でポイントと解き方が見通せる場合が多い。塾での
カリキュラムや問題集は単元毎に問題が整理されている場合がほとんどだろうから、そんな教材だけをやって
いても本番に通じる実力はつきにくい。是非、基本的な要素、公式、ポイントは確実に素早く使えるようにして
時には範囲の限定されていないテストを数多く見て、即座に解法を見通す訓練をしたい。個人個人にあった
問題の取捨選択やアドバイスはやはり個人を間近で見ることのできる家庭教師の出番であると考える。
また、普段の生活で数で物事を考える癖をつけるのも良い。家庭教師でお邪魔すると、受験生の中にはお母さん
と一緒に買い物にすら行ったことがない場合や、調理のお手伝いで牛乳を300mL量ったことすらないという話を
良く聞く。重曹などで理科の勉強ができたりもして一石二鳥である。何気ない日常にも算数を鍛えるチャンスは
結構ある。
国語
国語の学習は何を置いても長文をいかに理解し表現できるか、である。近年の長文は長文化していて
6,000字を超える長文も珍しくなくなった。それ故時間内で問題を解ききれない受験生のために色々な
攻略法が紹介されていることがあるが、あくまで追い込まれた場合の小手先の対策であることが多い。
1 色々な文章を読み、他の人の感じ方、考え方に多く触れること
2 文章を理解するために、意味の分からない新出の言葉は意味を調べ、使い方に慣れること
3 筆者の主張、文章を通じて描きたかったテーマをまとめてみる
を柱として、志望校の出題形式に沿って適応させていけばよい。
いろいろな文章に触れること以外に、普段から心掛けたいのはやはり知識面の習得であろう。長文に出てくる
言葉だけでは偏りが生まれ、その量も十分ではない。もちろん漢字の読み書きや慣用句、ことわざ、四字熟語
なども定期的に積み上げていきたい。
よく長文を読むときに
「『線を引きながら長文を読め』、と言われるがどこに線を引けば良いか分からない」
という声を聞く。特に時間内に解ききれない受験生にとっては悩みの種だろう。この手の悩みは、実は
線を引く場所だけにとどまらない、予想以上に根深い問題をはらんでいることが多い。残念ながら受験生
一人ひとりの読解の様子や問題点、何が原因で国語の点数が伸びないのかを塾で把握し改善することは
ほぼ期待できない。近年算数と同様に国語での家庭教師の引き合いが急増しているのはこういう点にある
のではないかと感じている。手遅れにならないよう、早めに家庭教師に相談することをお勧めする。