駒場東邦中学校
「読み、書(描)く」という学習の基本を貫く学校。普段の努力を怠らないようにしたい。
算数
60分 120点
大問4題、小問14問。屈指の熟考型問題が大半。
大問1は長めの四則演算が出題されることもあるが、他の学校のようにまずは一行題でウォーミングアップ、
とはいかない構成であることが多い。それでも駒場東邦の難関に挑もうという受験生にとっては是非とも
得点を落としたくない部分である。序盤から駒場東邦の代名詞である数の性質や場合の数、図形に関する
問題が並ぶ。
大問2以降は応用題。やはり数の性質、場合の数、図形に関するものが多い。答の出し方や説明、作図などが
試されるので、普段から途中式の残し方、ポイントを押さえた説明、作図の練習は怠りなく継続したい。
60分と試験時間が長いので、過去問演習や学校別対策授業を通じて、時間の使い方と得点の取り方を練習して
おきたい。年度によって難易度が上下するが、算数が得意という受験生の場合はまずは6割の得点を目標に
各大問を攻めるとよい。駒場東邦は算数・国語と理科・社会の配点比率が3:2でありすべての教科で記述の
要素があるので、算数においても答えさえ求められればよい、という姿勢ではなく色々な問題演習を通じて
論理性と普遍性の追究、その説明の仕方に腐心したい。難関校の場合の数や数の性質に関する問題を解いて
みて、点数が伸びない場合はポイントの考え方を教授してもらうとよい。
国語
60分 120点
時には1万字を超える物語文のみの出題は定番。小問が13問程度。特徴的なのは15問の漢字の書き取り、
一行~120字程度までの記述、言葉の意味、部分理解、前文把握の記号問題。小手先で対応できる問題は皆無
と言ってよく、それだけに本格的な物語読解対策が求められる。
主要な配点を占める記述だが、駒場東邦の記述は他校と比べて特に対策が求められる。
一般的な記述問題は本文をつぎはぎしてまとめれば高得点を狙えるものが多いが、駒場東邦の記述は本文に書いて
あるものだけでは高得点は望めない。言葉の力を駆使しながらどうして本文にあるような表現になっているのか
「行間を読」み、それを解答に記述する姿勢が大切である。例え文字数が多い記述でも、的外れで冗長な内容を
書いていると肝心のポイントをとらえる文字数が無くなる。
次に内容に関する記号選択問題だが、選択肢自体がやや長めである。駒場東邦に挑む受験生にとって読むのに
一苦労する長さではないだろうが、だからといって何となく選んでいると微妙な表現に惑わされやすい。
選択肢の文章が長いと見比べる要素が多い可能性があるので、選択肢を横に比べる練習をしておきたい。
普段行いたい対策としてはやはり漢字の書き取りと語彙力の養成である。同音異義語、同訓異字はもちろん、
日常で使わない言葉や漢字は積極的に使って自分のものにしたい。また、本文全体の流れを意識した出題に
対応するため本文の要約の練習も効果的である。記述した内容は是非添削を受けてもらいたい。
理科
40分 80点
大問5題、小問30問程度。大問1で小問集合があり、残り4題で生物・化学・物理・地学からの出題。
記号選択の問題が半分程度あるが、難易度は幅広い。他に記述やグラフの作成、計算問題などバラエティに富む。
基本的な知識では差がつきにくいものの、あやふやな暗記では足元をすくわれる可能性がある。計算も含め
定番の問題は確実に素早く解いた上で、残りの時間を初見の実験や観察の問題に使いたい。試験時間が40分と
理科にしてはやや長めなものの、実験の手順や表の見方に時間を取られると最後まで問題を解ききれない
可能性があるので、大問ごとの時間配分を最初に考えておくとよい。
過去問や志望校対策で間違えた問題は必ず解き直しや解説してもらう作業を地道に繰り返したい。
社会
40分 80点
1つのテーマに沿った文章を読み、問1~9前後の派生問題を解いていく構成。問ごとに(1)(2)・・・
などの問題に分かれている場合がある。問の途中にも資(史)料やグラフ、文章などがあるため、ポイント
を把握し答えを作成するまでに意外と時間がかかる。各問題で読み取るべきポイントを絞り込み、解答に
活かしたい。
日常の学習で意識したいのは基本的な暗記要素をしっかり固めた上で、資(史)料の持つ意味や関連事項
とのつながりをまとめてみたり、過去問や志望校対策などで実際に答案を書いてみよう。点数が伸びない
場合は駒場東邦に精通した塾講師や家庭教師に相談するのも手である。